注文住宅作りで設計事務所へ飛び込み相談!

自分も創作活動を行っていたせいか、作品にこだわりを持つ人と話をするのが好きです。

「家」も「作品」として考えれば、そこに熱い思いを持って取り組んでいる方たちと出会って、この世にただ一つの作品を形にしてもらうのが理想形。

一目惚れしてしまうような施工事例があり、家や家族への考えが一致していて、予算も合う、そんなぴったりの建築家を見つけたくて地元の設計事務所にも飛び込みのように訪れたこともあります。

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設計事務所の探し方

地元の設計事務所を探す

建築家の仕事は、プラン作成のほか敷地調査や建築確認申請、施工中の管理、施主との相談など多岐にわたります。

プラン作成や敷地調査などは契約前に行われることも多いのでどこの会社も熱心に手配してくれますが、問題は契約後、工事が始まった後です。工事の遅れや施工ミスなどは結構な頻度で起きるものです。家が建ってしまってからでは直せないようなミスも起こります。

会社が忙しければ遠方の現場は後回しになってしまうかもしれません。その点、現場が会社から近ければ、進捗や施工の状況をチェックしやすいでしょう。施主にしてみれば「施工管理は当然行ってくれているもの」という認識なのですが、残念なことに、設計図面を下請け会社へ渡したあと、マメにチェックをしてくれる監督はそう多くないと思います。「かなり当たり」です。施主もなるべく現場に足を運び、天井の高さ、選んだ設備、棚や手すりの位置などをよく確認するべきです。

自分たちのニーズに合う設計事務所を探す

たとえば「ローコストで素敵な家を建てたい」という希望があるのであれば、過去の設計事例や建築費などを参考にしてローコスト住宅を得意とする設計事務所を探し出して依頼しましょう。

全ての設計事務所がコストダウンを得意としているわけではありません。

狭小住宅が得意、変形した土地のマイナス点をプラスに変えることが得意、和風住宅が得意、または美術館のようなモダンで豪奢な建築物が得意と会社によって個性がありますし、おおよその建築費もこれまでの事例を見ればわかります。

事前によく調べて自分たちのニーズにぴったり合うと感じた事務所を探せたら、候補を2社か3社くらいに絞って相談に訪れるとよいでしょう。1社だけだと比較の材料がなく、自分たちとの相性もわかりません。

設計事務所の社風、服装、雰囲気から自分たちとの相性をみる

事務所の雰囲気が居心地良い、社員の話し方や服装がしっくり来る、こういった感覚的なことは意外に重要です。建てる家の雰囲気にも通じますし、話しやすいということはこの後の何度もある打ち合わせもスムーズに進行することが予想されます。

素人が建築家と話す時には緊張するもの、はっきり自分たちの意見を言える、聞いてくれる相手でなければ「こんなはずではなかった」という家が建ってしまいます。

最初の相談で「向こうのペースで熱く語られ、ほとんど聞き役だった」という場合は黄色信号です。

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設計事務所を選んだ方が良いケース

設計事務所は、得意な形や個性というものが比較的はっきりしています。ですので特殊なケースであればあるほどそのニーズに合った設計事務所を選ぶことで満足度の高い家造りにつながります。

たとえば

  • 狭小住宅
  • 形や傾斜があるなど複雑な土地
  • 日照に難あり
  • コストダウンにこだわる
  • デザインなどに強いこだわりがある
  • 指名したい建築家がいる

こういった場合には、柔軟に対応してくれて、設計の自由度も高い、それでいて当初設計費用から高くなることもない設計事務所のメリットが生かされます。

もしも、よく知っている設計事務所があって「そこで建てたい」という強い憧れがある場合には予算さえ合えば安心して任せる気になれるでしょう。そこまでの信頼関係ができていれば、設計事務所も自信をもってプランを立てて行けるでしょうし、施主も「憧れの会社が建てた家に住める」という幸福感で満足することができます。

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設計事務所を選ぶデメリット

逆に言えば、土地の形状にあまり問題がなかったり、使用する素材やデザインに強い拘りがあるわけではなく、どちらかと言えば「一般的な安心」を望む方にはメリットがあまり感じられません。

設計事務所との家造りでは、施主が決定する事項が多いので 相談する時間に余裕がないと忙しくなってしまいます。夫婦どちらかが家づくりに対して圧倒的に力が強かったり、逆に全く無関心だったりする場合には、どちらか一方の好みでどんどん決定していけるので、オリジナリティのあるオーダーメイドができる設計事務所との打ち合わせも楽しく、住まいも個性的になる傾向にあるかもしれませんが、夫婦二人で相談しながら進む場合には、よほど好みが合っていない限り設計事務所を選ぶとスケジュール調整や決定事項の多さで結果的に大変な思いをするかもしれません。

設計の自由度が高いのは設計事務所の良い点ですが、変わった規格で新しい設備や素材を取り入れる場合には、リスクも伴います。施工例やカタログでは素晴らしく見えても、実際に施工する工務店にその力量がなければ施工ミスが起こります。現在は最新の設備が増えているのに、腕の良い職人さんや工務店はどんどん減っていっており、下請け会社の変更も多いと聞きます。海外製のものや、新設備の扱いに慣れていない下請け会社がこれらのものを扱えば当然ミスが起こるでしょう。また、日本は地震の多い国ですので強度や防火の点でも自分たちの求める基準に達しているか確認しましょう。

設計事務所に依頼する時には、工期も確認しましょう。依頼が多い事務所だと、ある程度の待ち期間があるかもしれません。家が建つまでに、2年以上かかることもあります。完成希望時期の決まっている人や、家造りの相談に長く時間をかけられない人はよく検討した方がよい事項です。

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設計事務所?HM?工務店?我が家の選択

絵を一枚買うのなら、その時の好みで比較的気軽に決められますが、家は総合芸術のようなもの。土地や環境など決まった条件がある中で、施主、設計、営業それに実際に作業をする工務店や大工さんたちが複雑に関わって一つのものができあがります。

運といえば運ですが、運に賭けるにはあまりにも大きな出費です。

メリットデメリットを考えて、なるべくリスクを抑えたいと考えていったところ、私たちの場合は、社会的な信用と安心を優先することになりました。パパがカチカチの会社員だから、ということもあります。自由業の方や建築に詳しい方ならもっと遊び心のある選択をできるのかもしれません。

では、「設計事務所や工務店への訪問や打ち合わせに割いた時間が無駄ではなかったか」というと、決してそうではありません。

「知らなかった」ことがあると、家を建てている途中や建てた後に、新しい情報を見たり聞いたりして後悔するものです。まさに「隣の芝生」「ないものねだり」なのですが・・・。

でも家を建てる前に多くの情報を得て、ひとつひとつに真剣に向き合って選択したという経緯があれば後々「設計事務所の建てた家ってホント素敵」と思っても「でも私たちは〇〇の理由で今の家を選択したんだった」と懐かしく思い出すのみです。

それに設計事務所の提案は斬新で興味深いものが多く、とても勉強になります。

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